2023/08/06 11:18

イランについてどのようなイメージを持っているでしょうか?

最近で言えばロシア・ウクライナ戦争への関与、アメリカとの緊張関係、ヒジャブにまつわる事件など、ニュースから連想されるネガティブなイメージを持つ人も多いのではないかと思います。

2002年、アメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領が一般教書演説の中で、イランのことを「悪の枢軸」と表現したように、かつて石油の利権を巡って、アメリカと政治的に敵対したことにより、ニュースやハリウッド映画などプロパガンダとも言える発信によってイランのイメージは西洋諸国や日本において作られてきたように思います。
私自身も記憶を辿ると、スパルタの戦士たちの映画「300(スリーハンドレッド)」で描かれたペルシア帝国から、残虐な民族イメージや、CIAのイラン脱出劇を描いた「アルゴ」という映画で邪悪で暗く怖いイメージを持っていました。

たしかにニュースで報道される政治的な課題や混乱は事実としてある一方で、恐らくイランを訪れる誰もが、ペルシア文化の美しさに息を呑み、好奇心が掻き立てられ、人々の温かさに触れる瞬間があります。

日本人が街を歩けば、好奇の目を向けられるとともに人懐っこい親しみを込めた表情で歓迎の言葉を投げかけられ、道端でしているピクニックに誘われ、時には会ってすぐに自宅の食事に招待されることも少なくはありません。

そして壮大で美しくそれと同時に、手作業で柄付けされる繊細な幾何学模様には誰しもが圧倒され、
バザールや工房に出かけると2000年以上前から続く彫金技術を生かした金、銀、銅の細工製品や、丁寧に時間をかけて織られる絨毯などの工芸品に誰しも心を奪われるはずです。

イランが語られるときに政治的な側面だけでなく、2000年以上の歴史を持つ、深く素晴らしいペルシア文化や、温かい心持つ人々とつながりを大切する文化などなど、美しい側面を持つ国であることも同時に語られてほしいなと思います。

このJounalではそんなイランという国、そしてペルシア文化の持つ側面を伝え続けていきたいと考えています。